WordPressとは何か|初心者向けにできることをわかりやすく解説

目次

この記事の結論

WordPressは「家づくりのDIYキット」です。自由に増改築できる代わりに、管理の責任も自分に乗ります。 「WordPressなら何でもできる」と聞くことがありますが、半分は合っていて、半分は少し違います。できることが増えるほど、やるべきことも増えます。 この記事を読めば、自分にとってWordPressが正しい選択かどうかを判断できるようになります。

AKITOYO

AKITOYO(このブログの題材になっている人)

通信インフラ業界で約20年、施工管理・試験業務・業務改善・経営企画に携わってきた非エンジニア。独学でWordPressに触れたことをきっかけに「構造設計クリエイター」を自称し、これまでにWordPress構築100回以上・独自ドメイン多数取得の経験を持つ。プラグインは目的がなければ入れない方針を取っている。当ブログ(aki7199.com)とは別に、思想サイトakitoyo.jpも運営している。1979年生まれ、いわゆる就職氷河期世代。ストレングスファインダーは2020年・2023年の2回の受診いずれも「収集心」が1位、「戦略性」が2位。

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はじめに:ホームページの「作り方」は一つではない

前の記事で、ホームページは「家」であり、ビジネスの母艦だとお伝えしました。

では、その家をどうやって建てるのか。

実は、ホームページの作り方にはいくつかの選択肢があります。そしてその選択肢によって、自由度と責任のバランスが大きく変わります。

「WordPressがいいと聞いたから」「制作会社にWordPressを勧められたから」——そうした理由だけで選ぶのは、設計図も見ずに工法を決めるようなものです。

この記事では、まずホームページの作り方の選択肢を整理したうえで、WordPressの強みと「便利さの代償」を正直にお伝えします。神格化も否定もしません。大事なのは、自分の覚悟に合った選択をすることです。


選択肢の整理:ホームページの作り方は大きく3つ

ホームページの作り方は、大きく3つに分けられます。それぞれ、家の建て方に例えると違いがわかりやすくなります。

1. ブロックツール型(Wix・Jimdo・ペライチなど)

家の比喩:「組み立て済みのプレハブ住宅」

ブロックを並べるように、画面上でパーツを配置するだけでホームページが作れるサービスです。プログラミングの知識はまったく不要で、テンプレートを選んで文字と画像を入れ替えれば完成します。

向いている人: とにかく早く・安く・自分で作りたい人。ITに詳しくない個人事業主が「まず存在する」ために使うには十分です。

注意点: デザインや機能のカスタマイズに限界があります。また、前の記事でお伝えした通り、多くのブロックツールでは独自ドメインを使うために有料プランが必要です。さらに、サービスが終了したり仕様が変わった場合、サイトのデータを丸ごと別の場所に引っ越すのが難しいという制約があります。

プレハブ住宅はすぐに住めますが、間取りの変更や増築には限界がある。そんなイメージです。

2. ノーコード型(STUDIO・Shopifyなど)

家の比喩:「セミオーダー住宅」

ブロックツールよりもデザインの自由度が高く、プロのデザイナーが使うことも多いサービスです。コーディング(プログラミング)なしで、かなり自由なレイアウトを実現できます。

向いている人: デザインにこだわりたいが、コードは書けない(書きたくない)人。見た目の品質を重視する事業者に向いています。

注意点: 自由度が高い分、「何をどう配置するか」のデザイン判断は自分(または依頼したデザイナー)に委ねられます。また、ブログ機能やECなど、特定の用途ではWordPressやShopifyのほうが強い場面もあります。引っ越しのしやすさはサービスによって異なります。

セミオーダー住宅は見た目の自由度が高い一方、設備の選択肢はハウスメーカーのラインナップに制限される。そんな位置づけです。

3. WordPress(ワードプレス)

家の比喩:「DIYキット付きの注文住宅」

自分の土地(レンタルサーバー)に、自分で家を建てる仕組みです。設計は自由。増築も改装もできます。世界中で使われている標準的な「家づくりのキット」であり、日本でも圧倒的に多くの企業サイトがWordPressで構築されています。

向いている人: 長期的にサイトを育てたい人。ブログで情報発信をしたい人。将来の拡張やリニューアルの可能性を残しておきたい人。

注意点: 自由度が高い分、管理の責任も大きくなります。これについては、次のセクション以降で詳しく解説します。

3つの比較まとめ

項目 ブロックツール型 ノーコード型 WordPress
家の比喩 プレハブ住宅 セミオーダー住宅 DIYキット付き注文住宅
自由度 低い 中〜高い 高い
専門知識 ほぼ不要 デザイン判断が必要 ある程度必要(または外注)
初期コスト 低い 中程度 中程度(外注なら高め)
引っ越しやすさ 難しい サービスによる しやすい(データを持ち出せる)
管理の責任 サービス側が多く担う サービス側がある程度担う 自分(所有者)に乗る

どの作り方が「正解」ということはありません。自分の目的・予算・覚悟に合った選択をすることが正解です。


WordPressの強み:育てやすい・引き継ぎしやすい=資産向き

選択肢を整理したうえで、WordPressの強みをお伝えします。

世界標準の「家づくりキット」

WordPressは世界中のWebサイトの約4割で使われていると言われる、最も普及したCMS(コンテンツ管理システム)です。日本でも企業サイトの多くがWordPressで構築されており、対応できる制作会社やエンジニアが圧倒的に多いという特徴があります。

これは家づくりで言えば、**「標準規格の建材で建てた家」**のようなもの。特殊な工法で建てた家は、元の建築会社にしか修理を頼めません。しかし標準規格で建てた家なら、どの工務店でも対応できます。

育てやすい——情報を積み上げる仕組みがある

WordPressの最大の強みは、ブログ(記事の投稿)機能が標準で備わっていることです。

前の記事で「ブログは家の中の書庫」とお伝えしました。WordPressは、この書庫を最初から備えた家です。記事を書いて公開するだけで、検索エンジンに認識され、情報が蓄積されていきます。

ホームページを「作って終わり」ではなく「育てていく」という視点に立ったとき、WordPressは非常に適した仕組みです。

引き継ぎしやすい——制作会社を変えても資産が残る

WordPressで作ったサイトは、制作会社を変更してもサイトのデータをそのまま引き継げます。

これは意外と見落とされがちなポイントです。独自の仕組みで作られたサイトは、元の制作会社にしか触れないことがあります。「修正を頼んだら高額だった」「別の会社に頼みたいがデータを渡してもらえない」——こうしたトラブルは珍しくありません。

WordPressは標準規格だからこそ、サイトのデータ=あなたの資産として持ち出せます。サーバーを移転しても、制作会社を変更しても、積み上げたコンテンツと検索エンジンの評価はそのまま引き継がれます。

更新が自分でできる

お知らせの追加、ブログ記事の投稿、営業時間の変更、スタッフ紹介の更新——こうした日常的な更新作業を、専門知識がなくても自分で行えるのがWordPressの特徴です。

管理画面にログインし、文字を打ち替えて「更新」ボタンを押すだけ。ワープロソフトを使う感覚で、ホームページの内容を書き換えられます。制作会社に毎回依頼する手間と費用を抑えられるのは、特に小規模事業者にとって大きなメリットです。


便利さの代償:管理(更新・点検・判断)が所有者に乗る

ここまで読むと、「WordPressが一番良いのでは」と感じるかもしれません。

ただ、強みだけで選ぶと見落とすことがあります。

WordPressは自由度が高いDIYキットだからこそ、管理の責任が所有者に乗ります。プレハブ住宅やセミオーダー住宅なら、サービス提供者がシステムの更新やセキュリティを管理してくれます。しかしWordPressは、自分の土地に自分で建てた家。管理は基本的に自分(または依頼した制作会社)の責任です。

管理が必要な3つの領域

1. WordPress本体の更新

WordPress自体が定期的にバージョンアップされます。セキュリティの改善や機能追加が含まれるため、更新を怠ると脆弱性(セキュリティの穴)が放置されることになります。

家で言えば、「基礎や構造に関わる補修工事のお知らせが来る」ようなもの。無視し続けると、家の安全性に関わります。

2. テーマとプラグインの更新

テーマ(見た目のデザイン)とプラグイン(追加機能)も、それぞれの開発者が更新を出します。これらも定期的に更新しないと、WordPress本体との相性問題が発生したり、セキュリティリスクが生じたりします。(テーマとプラグインについては、次の記事で詳しく解説します。)

3. バックアップと復旧の判断

万が一サイトに不具合が起きたとき、バックアップデータから復旧する判断が必要になります。「何かおかしい」と気づけるかどうか、そして「どの時点のデータに戻すか」を判断できるかどうか。これも所有者の責任範囲です。

「便利=責任」という等式

まとめると、WordPressの構造はこうです。

便利さ(自由度) 責任(管理)
デザインを自由に変えられる テーマの選定・更新は自分で判断
機能を自由に追加できる プラグインの管理・相性確認は自分で
記事を自分で投稿できる コンテンツの品質管理は自分で
制作会社を自由に変えられる サイト全体の管理責任は自分に

「便利だから選ぶ」のではなく、「この責任を引き受けられるか」を考えたうえで選ぶ。これがWordPressと付き合ううえで、一番大切な視点だと考えています。


「放置しても大丈夫?」という疑問に正直に答える

「WordPressのサイトは放置してもいいですか?」

この質問をいただくことがあります。率直にお伝えすると、放置は難しいです。

家と同じで、誰も住んでいなくても雨漏りはしますし、庭の雑草は伸びます。定期的な点検と最低限の手入れは、どうしても必要になります。

放置するとどうなるか

WordPressサイトを放置すると、以下のようなリスクがあります。

セキュリティリスクの増大。 WordPress本体やプラグインの更新を放置すると、既知の脆弱性が放置されます。悪意のある第三者にサイトを改ざんされたり、スパムの踏み台にされるケースは実際に起こっています。

表示崩れや機能停止。 サーバー側のPHPバージョンアップなどに伴い、古いWordPressやプラグインが動かなくなることがあります。ある日突然、サイトが真っ白になる——これも放置が原因の典型例です。

信頼の毀損。 「最終更新日:3年前」と表示されたお知らせ欄や、リンク切れだらけのページは、訪問者に「この会社、大丈夫かな?」という不安を与えます。

でも「壊れにくく設計する」ことはできる

放置はできませんが、「手間を最小限にする設計」は可能です。

プラグインを最小限にする。 入れるプラグインの数が少なければ、更新の手間も相性問題のリスクも減ります。「便利だから」と何でも追加するのではなく、本当に必要な機能だけに絞る。これが壊れにくい家の基本設計です。

信頼性の高いテーマを選ぶ。 長期間にわたって更新が続いているテーマ、利用者が多いテーマは、問題が起きても情報が見つかりやすく、修正も早い傾向があります。

自動更新を適切に設定する。 WordPress本体のマイナーアップデート(セキュリティ修正など)は自動更新に設定しておくことで、放置リスクを軽減できます。

バックアップを自動化する。 定期的にバックアップを自動で取得する仕組みを最初に設定しておけば、万が一のときに復旧できます。

つまり、「放置OK」ではないけれど、「最低限の手間で維持できる設計」は最初の段階で決まるということです。家を建てるときに耐震設計を施すように、サイトを作るときに「壊れにくい設計」を施しておく。これが制作段階でできる最善の備えです。


WordPressを選ぶ前に確認したい3つの質問

WordPressが自分に合っているかどうか、以下の3つの質問で確認してみてください。

質問1:サイトを「育てる」つもりがあるか?

ブログで情報を発信したい、お知らせを定期的に更新したい、将来ページを増やしたい——こうした「育てる」意思があるなら、WordPressは最適な選択肢です。逆に、3〜5ページの情報を載せるだけで更新の予定がないなら、ブロックツール型でも十分かもしれません。

質問2:更新や管理に時間を割けるか?(または依頼できるか?)

最低限の更新作業(WordPressとプラグインの更新確認、バックアップの確認など)に月に30分〜1時間程度は必要です。自分でできなくても、制作会社に保守を依頼する選択肢もあります。ただし、「誰かがやる必要がある」という事実は変わりません。

質問3:自由度と責任のバランスを受け入れられるか?

自由にカスタマイズできる代わりに、何か問題が起きたときの判断と対応は自分(または依頼先)の責任になります。「全部お任せで、何も考えたくない」という方には、サービス側が管理を担ってくれるブロックツール型やノーコード型のほうが安心かもしれません。

3つとも「はい」と答えられるなら、WordPressはあなたにとって良い選択です。 ひとつでも不安があるなら、他の選択肢も含めて検討する価値があります。

大切なのは、自分の覚悟に合った選択をすることです。


まとめ:自分の覚悟(自由度と責任)に合わせて選ぶ

この記事のポイントを整理します。

ホームページの作り方は一つではありません。 ブロックツール型(プレハブ住宅)、ノーコード型(セミオーダー住宅)、WordPress(DIYキット付き注文住宅)の3つがあり、それぞれ自由度と責任のバランスが異なります。

WordPressの強みは「育てやすさ」と「引き継ぎやすさ」です。 ブログ機能が標準で備わり、制作会社を変えてもデータを持ち出せる。長期的にサイトを資産として育てるなら、最も適した選択肢です。

便利さには代償があります。 自由にカスタマイズできる分、WordPress本体・テーマ・プラグインの更新管理、バックアップ、セキュリティの判断は所有者の責任です。

「放置OK」ではありません。でも「壊れにくい設計」はできます。 プラグインを最小限にし、信頼性の高いテーマを選び、バックアップを自動化する——こうした設計を最初の段階で施しておくことで、管理の手間を最小限にできます。

自分の覚悟に合った選択をしてください。 「育てたい」「管理できる(または依頼できる)」「責任を引き受けられる」——この3つに「はい」と言えるなら、WordPressはあなたの事業を支える強い基盤になります。

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